ガレージで遊ぶ

ガレージライフのスタート

 クルマが趣味の人が増えています。そう言う人はレストランに行っても駐車場の自分の車が見える位置に席を取ります。バイクが好きな人の中には、ぴかぴかに磨いたバイクを部屋に入れてしまう人もいます。文字通りバイクと一緒に暮らしたいわけです。
 しかし、いくらなんでも車を室内に持ち込むのは不可能です。
 それならば逆にガレージに生活空間を作ってしまえばよいのです。
 一般的なガレージには壁はなく、柱の上に屋根だけ乗っています。家の外で屋根がある空間。そこを利用しない手はありません。
そのままでももちろんいいのですが、まずはそこに壁を作ることから始めましょう。壁は木で作っても鉄筋のメッシュで作ってもいいでしょう。
 壁があれば棚を造ることができます。棚には園芸道具から工具、食器、雑誌や本まで置いておくことができます。また、一隅に机を置いても壁があったほうが落ち着きます。
ポットを持ち込めば庭と車を眺めながらお茶を飲むこともできます。そばに水栓があれば流しを置いてみるのも良いのではないでしょうか。食器洗い程度ならそのままそこでできるからです。屋根があるので雨の日でもガレージに当たる雨音を聞きながら日がな一日のんびり過ごすこともできます。
 そうなるとラジカセやテレビも置いてみたくなります。つまり、家の外にもう一つ心地よい居場所を作ることができるのです。


家や庭との関係

 ガレージで過ごす楽しさがわかると、もう少し欲が出てきます。孤立したガレージではなく、家のほかの部分とのつながりを作ることでもっと有機的に使いたくなるのです。
 ガレージに行くためには玄関や庭から回り込む必要があったのを、家から直接行き来できるようにしたい。まずはそう思うのではないでしょうか。
 そうなるとやはり大工さんの手助けが必要になります。家の窓や壁にガレージに直接行けるドアを作ったり、家から濡れずにガレージに至る渡り廊下を作りたくなったりするからです。しかし、それだけでガレージはより身近で親しみやすいものになります。同時にもちろん、そのルートは車で運んできた荷物を室内に持ち込む際にも便利です。
 ガレージとデッキ、ガレージとパーゴラ、ガレージと池やプール、ガレージ屋根とバルコニーなど庭と関連のある何かとガレージのつながりも考えてみると良いのではないでしょうか。
 例えばガレージに流しや冷蔵庫を置けば、ガレージがデッキでのガーデンパーティーのキッチンに早変わりします。
 いずれにせよ個別にガレージの中だけを考えるのではなく、周辺に何か魅力的なものがないか、あるいは関連付けることによりにわかに魅力的になるものはないかを意識して計画してください。

 
ガレージを建て直す

 大工さんの手を借りて家の本体にまで手を入れるのなら、いっそのことガレージそのものをより広く、より楽しく建て直した方が良いと考える人もいるでしょう。
 クルマに思い入れがない人でも、ガレージを囲われた一つの部屋として計画する事は夢なのではないでしょうか。田園調布や成城学園などのお屋敷街の高級住宅でよく見るスタイルだからです。
 しかしそれら高級住宅のガレージのほとんどはただのガレージです。どうせガレージを部屋として計画するのなら、もう一つの住空間としての機能を入れたくなってきます。
 まず、道路に面した車が出入りする入口だけではなく、庭に通じる出入り口、家に直接入れるドアが欲しいところです。そうすることで家と道路、家と庭の中間に位置する開かれたイメージのスペースとなります。
 窓は重要な要素となります。せっかくの窓ですからありきたりの窓ではなく、部屋の使い方を考慮しつつ、折戸やオーニング、縦長や横長窓など自由に考えてみてください。そこで眠ったり食事をしたりすることだけを目的としているわけではないのですから、より自由な発想が可能なはずです。
 家と直接つながっているのだとしたら、次に考えたくなるのはスリッパのままで行き来できる床を設けることでしょう。ガレージの一隅をそういうスペースとして計画すれば、そこは書斎ともホビールームとも言えるプライベートな空間になります。
 床をガレージのサイドスペースに設ければ、ドアを開けてクルマを降り、そのまま裸足で床に立つこともできます。その場合、靴は車に残しておく事になります。
 一つだけ注意しなければならないことは換気です。排気ガスがこもってしまっては住空間も何もありません。強力な換気設備を設けてください。
 ガレージでの生活は基本的には過ごしやすい季節に限られます。しかし通年で利用したいと言うことでしたら空調設備を入れてみるのも良いでしょう。しかしその場合、住空間として利用する部分と車を置く部分を仕切らないと電気代がかさみます。


ガレージライフを堪能する

 ガレージの一隅の空間をどのように活用するか、もちろんそれはあくまでオーナーのアイデアにかかっています。
 本体の家から独立した離れのような空間である事は、ある意味でオーナーが自分の隠れ家として好き勝手をすることが許される場所であるとも言えるのです。
 書斎として使いたいのなら大きなデスク、本棚、パソコンなどを持ち込むことになるでしょうし、あくまでクルマにこだわりたいと言うことでしたらクルマに関わる工具や部品が棚にずらっと並ぶ事になります。
 オーナーが何かのコレクターなら壁面はすべて集めた品を飾るガラスケースとなるでしょうし、オーディオファンならLPやCDが並ぶ棚とオーディオセットが持ち込まれることになります。なにもせず、ただ寝転がってぼーっとしていたいということなら畳を敷くのも良いかもしれません。
 ボトルの棚、水場、冷蔵庫、カウンターを設ければ秘密のホームバーになりますし、そこにさらに七輪などの小さな火と、お気に入りのおちょこやとっくりを持ち込めば自分のためだけの居酒屋にもなります。
 とにかく何に使うのも自由なのだと言う発想でのびのびと考えてみてください。  多目的スペースとしてとらえれば、展覧会などのギャラリーや弦楽四重奏などの小さなコンサート会場として利用する事もできます。  オーディオルーム、コンサート会場、カラオケ会場、レッスン室など防音工事が必要となったときは相談にのらせていただきます。

 


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