池、プール

池を作る

 このごろ池のある庭をほとんど見なくなりました。家相上よくないという人がいることと、手入れが大変だからというのが理由だと思われます。私の実家には小さな池がありましたが、災難など全く降りかかりませんでした。南の庭の池が家相上良くないと言うのなら源氏物語のころの貴族はみんな不幸にならなくてはなりません。寝殿造りに池は付き物だからです。
 大きな池を作ることは、よほど広い敷地でない限り難しいと思っている人も多いかもしれませんが、だからこそ今、そこそこの大きさの池を作ればそれだけで個性的な庭ができるのではないでしょうか。もちろん小さな池でも同様です。1m×2m程度の池でも十分にその存在感を楽しむ事ができるでしょう。
 池には給水のための蛇口と排水口を作っておくことをおすすめします。排水口は池の一番深いところだけではなく、オーバーフローも忘れずに作ってください。
 基本的にはモルタルで防水し水が染み出るのを防ぎます。モルタルからはアクが出るので直後に生き物を入れると確実に死にます。水を張って一日置いて流すということを何度も繰り返してください。


池の形

 不定形でも幾何学的な形でも形そのものはどちらでも良いでしょう。問題は池の縁です。幾何学的な形の池なら縁も金ゴテで直線的に押さえたり、タイルを張ったりして処理する事ができますが、不定形な場合はそう言う処理があまりふさわしくありません。
 一つの方法は石や杭を並べることで、日本庭園で昔から良く見ることができる方法です。
もう一つは何もせず、芝生や低木がそのまま縁になるように施工する方法です。日本中の川や海の岸辺がコンクリートで固められている現在、自然な岸辺はそれだけで安らぎを与えてくれます。しかし、土が流れ込まないように芝などをぎりぎりまで植え込む必要があります。

 
池の植物

睡蓮  池を作れば誰でも金魚や錦鯉を入れたくなります。メダカやタナゴなどの魚類、ザリガニやタニシ、カメなどの小動物も飼うことができます。トンボが卵を産んでくれていれば思いがけずヤゴが住み着くかもしれません。
 しかし、植物を持ち込むことを考える人はあまり多くはないのではないでしょうか。
 睡蓮は夏の間中涼しげな風情で途切れずに花を咲かせてくれます。鉢に植わったまま池の底に置けば良いでしょう。小さくてもモネの池が出来上がります。
 ハナショウブは菖蒲園での花を自宅で楽しむ事ができます。これも鉢のまま沈めればよいのですが、鉢そのものが深いので池も深く作る必要があります。
 ハスは咲けば天国にいるような気分になるでしょう。しかし、育て方は分かりません。もし、1坪や2坪の池で咲かせることができるのなら画期的なことではないかと思います。
 イネを植えてみるのはいかがでしょうか。秋には収穫もできます。これもバケツなどに植えた状態で池に沈めればいいでしょう。
 ここまで鉢のまま池の底に置くと言い続けてきた理由はあくまで池の底に土が入るのを嫌ったからです。それがかまわないのなら逆に最初に土を入れ、そこに直接植えてください。
 また、小さなお子さんがいらっしゃる家に池を作るときは、安全性に十分注意してください。


プールは眺めて楽しむ

 プールを作ってみてはいかがでしょう。泳げるプールを作ることのできる広い庭があれば言うことはないのですが、泳げなくてもいいではありませんか。海外ではプールはむしろ眺めるものなのです。
 モルタルで作り、内側にスカイブルーやエメラルドグリーンのペンキを塗ります。
 風で水面にさざなみが立つだけで涼しさを感じることができます。さらに気分を盛り上げたかったら、この小さくて浅いプールのプールサイドにマットを敷いて水着で日光浴をしたりしても良いでしょう。それだけでちょっとしたリゾート気分です。
 デッキと組み合わせて計画すれば、さらにイメージが広がります。たとえばデッキに腰をかければ足を水の中に入れることができるようにしたりするのです。水中にカラフルな照明を組み込めば、夜間さらに美しい姿を楽しむ事ができます。
パーティーでも開きたくなるのではないでしょうか。

 


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